朝日新聞 1998年07月16日 朝刊
服用ブーム、潜む「危険」 性的不能治療薬「バイアグラ」服用者死亡

 米国で爆発的な人気を呼び、日本でも承認前から大きな関心を呼んでいる男性の性的不能治療薬「バイアグラ」。その副作用とみられる死亡事例が国内で初めてあったことがわかった。人気の高さに目をつけた多数の輸入代行業者がインターネット上で個人輸入を募ったり、旅行会社が米国での購入ツアーを企画したりしており、国内でもすでにかなりの数の男性が服用しているとみられる。厚生省は十五日、未承認薬であるにもかかわらず、死亡例の報告を受けた当日に注意喚起の発表をするという、異例の対応を取った。
  
 ■購入あおるインターネット 手数料6万円
 「バイアグラ」と「個人輸入」の二つの言葉でインターネット上のホームページを検索すると、千件を超すホームページのタイトルが表示される。そのほとんどが、国内の購入希望者から手数料を取って米国からバイアグラを輸入する業者のホームページだ。
 外国製の家具や車の個人輸入の代行をしている鹿児島市内の業者は、六月からバイアグラの個人輸入の代行をはじめた。三十錠入りのビンひとつを輸入するための手数料は六万円。「これが相場でしょう。高いところは十三万円も取るところがある」という。
 バイアグラは医師の処方せんがなければ購入できない。この業者は、購入希望者用に問診票をホームページに掲載。これに必要事項を記載してもらい、米国在住の同社スタッフにファクスで送る。この問診票を基に米国の医師に処方せんを書いてもらい、スタッフが現地の薬局でバイアグラを購入し、日本に送っているという。
 一カ月半で三十件の輸入代行をしており、客は四十代、五十代の男性がほとんどだという。この業者は「週刊誌などがあおっているが、実際にこの薬が必要な人はそんなに多いとは思えない」と話す。
 横浜市の業者は、もともと米国製の育毛剤の個人輸入代行業をしていた。今年六月、米国在住の日本人ブローカーから「バイアグラをやらないか」と持ちかけられた。
 この業者はホームページで購入希望者を募り、現金を銀行に振り込んでもらうだけ。どのようにして医師の処方せんを入手して薬を購入しているか分からないという。
 どの業者のホームページにも、「心臓病におけるニトログリセリンとの併用または心臓病経験者には販売、使用禁止です」などの注意書きが掲載されてはいる。だが、「夢の新薬バイアグラ 今すぐ!!欲しい格安でわがままな人に!!」などと購入をあおる内容が中心だ。
  
 ■「処方基準が必要」 未承認薬
 厚生省は、バイアグラの広がりを見過ごすことはできないと判断した。早急にホームページで注意を呼びかけることにしているが、内容は「使用上の注意」ではなく、あくまでも「死亡事実について」。未承認薬のため、使用上の注意を流すと、医薬品として認めることになってしまうからだ。
 厚生省安全対策課は「本来自己責任による服用で、ふつうの医薬品とは扱いが違うので……。死亡情報を流し、慎重に使用するよう呼びかけるしかない」と対応に苦慮している。
 バイアグラを開発した米ファイザー社の子会社であるファイザー製薬(東京都新宿区)によると、すでに米国のほかモロッコ、南アフリカ、ブラジル、メキシコなどで承認されており、今年中に約五十カ国で承認を得る見通しという。日本では三段階ある臨床試験(治験)のうち第二相試験が終了したところで、承認の見通しは立っていない。
 専門家によると、国内での治験はこれまでに約二百五十人を対象に実施され、数人がめまいなどを訴えたが、大きな副作用はなく有効率は七割だったという。
 バイアグラはもともと心臓の血管を広げ、血圧を下げる目的で開発されており、心臓病や高血圧などで治療中の人は十分注意する必要がある。
 また、米食品医薬品局(FDA)の発表によると、アメリカで六月初めまでに死亡報告があった十六人のうち、少なくとも十一人が高血圧や心臓病、糖尿病の持病があったという。
 関東地方のある病院には、七月に入って、十人を超す人がバイアグラを持参して使っていいかを尋ねてきた。担当した医師は「聞きに来る患者はまだいいほうで、勝手に使ってしまう人が多いのではないか。処方基準をきちんと設けないといけない」と話す。
 ファイザー製薬広報部の担当者は「個人輸入で服用されている人がかなりいることは非常に悩ましい問題だ。できるだけ早く医療用医薬品としての承認を受け、供給したいと考えている」と話している。
  
 ●高血圧など要注意 永尾光一・東邦大医学部泌尿器科講師の話
 バイアグラは血流をよくする作用がある一方で、わずかながら血圧を下げる作用もある。心臓病の治療薬であるニトログリセリンとの飲み合わせは、急激な血圧低下を起こす可能性があり、絶対やってはならない。また、高血圧や糖尿病、心臓病などの人は気をつけなければいけない。個人輸入で使う人がいるようだが、血圧や心電図、血液検査などをして医師が安全と判断した場合以外は服用すべきではない。勝手に使うと危険だ。
  
 ◆週刊現代に行政指導 購入法の紹介記事で厚生省
 週刊誌の「週刊現代」が先月末の発売号で、性的不能治療薬「バイアグラ」の購入方法を紹介した記事を載せ、申し込み用のはがきを添付した問題で厚生省は十五日、未承認薬の広告を禁じた薬事法に違反するとして、週刊現代と出版元の講談社に対して、この企画を中止し、薬事法違反にあたることなど経緯を誌上に掲載するよう文書で行政指導した。十七日までの回答を求めており、対応次第では薬事法違反での刑事告発も考えるとしている。
 厚生省は記事について、はがきによって購入を積極的に支援し、読者を医薬品の購入へ誘引する意図があると指摘、薬事法に違反すると判断した。
  
 ◇薬事法違反ではない 週刊現代編集部の話
 薬事法を十分に検討し、弁護士の見解なども踏まえた結果、薬事法違反ではないと判断している。厚生省への回答は検討中だ。
  
 【写真説明】
 性的不能治療薬バイアグラ=AP

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