朝日新聞 2000年04月17日 朝刊

男の性機能 生活習慣も障害の下地(元気からだ)

 「気持ちはあるのに、体がついてきてくれない」。そんな性機能障害を訴える男性の多くは、勃起(ぼっき)障害(ED=Erectile Dysfunctionの略)と診断されます。治療薬のバイアグラが注目を集めていますが、生活習慣が下地になっている場合もあるようです。原因や治療を受ける際の心がけを専門家に聞きました。
 (田村建二)
 
 「バイアグラを処方してもらえますか?」
 東京都済生会中央病院(東京都港区)の診察室。五十代前半の会社員が、内科部長の渥美義仁医師と向き合っていた。渥美さんは月二回、ED専門の外来を受け付けている。
 
 ○緊張が重圧に
 会社員は数年前、二十歳ほど年下の女性と結婚した。最近、妻の気持ちに十分こたえられなくなった。
 診断では、仕事のストレスに加え、若い妻とのセックスを「うまくやらなければ」と思う緊張感が重圧になっていた。体調も万全ではなかった。
 「一度失敗すると、その記憶に引きずられることがある。薬がその記憶を断ち切る助けになるかも知れませんよ」と渥美さん。バイアグラを処方された会社員の経過は順調だという。
 日本性機能学会の白井将文理事長(泌尿器科)は一九九八年、精神科医師や疫学者らとともに全国で二千人の男性を対象に調査をした。千人余りから得た回答によると、「たまに勃起できる」といった中等度の人も含め、四十代後半で約二割、五十代後半で約五割が悩みを抱えていた。
 こうした男性は「国内で約九百八十万人にのぼる」と、白井さんらは推測する。「ごくありふれた病気です。決して恥ずかしいことではありません」
 視覚や聴覚などで性的刺激を脳が受けると、その刺激信号が神経を通して下半身に伝わる。信号はペニスの海綿体の血管などを広げる物質を発生させ、血液が海綿体に流れ込んで勃起が起きるとされる。
 このしくみがうまく働かないと、EDになる。血管や神経などの機能に問題が起き、心の悩みなど複数の要因がからみ合って生じることが多いという=図。
 
 ○心を解き放つ
 糖尿病や動脈硬化といった生活習慣病が原因になることも少なくない。これらは「器質性ED」と呼ばれる。白井さんの別の推計によると、糖尿病をもつED患者は約三十四万-百万人にのぼる可能性がある。
 生活習慣病の初期サインとして性機能障害が現れることもある。「軽い糖尿病によるものなら、糖尿病の治療によって障害が治ることがある」と渥美さん。生活習慣病にかからないように食生活や運動に注意すれば、予防にもつながる。
 マスターベーションはできるのに、パートナーを前にするとうまくいかない。こういう人の多くは「心因性ED」が疑われる。
 あべメンタルクリニック(千葉県浦安市)の阿部輝夫院長は、治療法の一つとして「ノン・エレクト法」を提案している。わざと勃起しないように自分に言い聞かせながら、ペニスをちつにすべり込ませる。「必ず成功しなければ」という重圧感から心を解き放そうという手法だ。
 これまでに二百組ほどのカップルが試し、約八割に改善が見られたという。しかし、女性のなかには「実験台にされているようだ」と不満をもつ人もいる。
 「この治療法はセックスそのものではなく、いわば練習だということをよく理解し、協力してもらうことが欠かせません。男性もパートナーへの気遣いと感謝が必要」と阿部さん。カップルで専門医の指導を受けることを勧めている。
 バイアグラには海綿体への血液の流入を助ける作用があり、器質性、心因性のいずれにも効果が認められている。ただし、ニトログリセリンなどの薬と併用すると、生命にかかわる副作用の危険もある。事前に健康チェックを受けた方がいい。
 
 ○機能改善しても… 女性に配慮忘れず
 東邦大学大森病院の永尾光一・泌尿器科講師らは昨年から今年にかけて、男性がバイアグラを飲むことに女性も同意したカップルに「薬の使用を今後も続けたいか」と質問し、十七組の男女から回答を得た。
 女性のうち十一人は「継続したい」と答えた。しかし、五人は「どちらでもない」、一人は「もうやめてほしい」。積極的になれない理由は「セックスが楽しくない」「性交に痛みがある」などだった。
 永尾さんは「バイアグラで治っても、男性はセックスのタイミングや相手への接し方など、もっと女性に配慮する必要がある」と話す。性機能障害の治療に携わる医師らは「女性はペニスの挿入による快感そのものよりも、愛情の確認を求めている人が多い」と指摘している。
 
 ○年をとっても… 行為に固執せず、ときめきが大切
 「人生を生ききる性脳学」(講談社)などの著書がある大島清・京都大学名誉教授(大脳生理学)は週三回ほど、神奈川県鎌倉市の自宅からマウンテンバイクで数キロ離れたスポーツクラブに通い、千メートルほど泳ぐ。今年一月、七十三歳になった。
 加齢はEDを招く因子の一つ。大島さんはここ数年、衰えを感じてはいるが、「まだ、朝にテントは立ちますよ」。体を鍛えるだけでなく、精神的な面でも「大脳への刺激が重要」と説く。
 「性器の結合だけに性を限るのは寂しい。勃起しなくてもいい。何より、脳を積極的に使って胸をときめかせる『性的能力』こそ大切です」

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